ビッグフィッシュゾーンを埋めるディープクランク攻略
狙いは水深5~6.5mを攻略する大き過ぎない固定重心ディープランナー。クランクベイトにおいて重心移動タイプに比べ固定重心のメリットは多い。内部レールが無いことによりキビキビと軽快な泳ぎに加え、スタック後の泳ぎ出しの早さや、モノに当たった後の復元力など釣果に直結する多くの性能が得られる。その一方、風速次第で変わるものの、ボディサイズに対してリップサイズがある一線を越えるとキャストでグリグル回転し失速してしまうデメリットも生まれ、飛距離不足によりトレースしたいゾーンを泳がせることが出来なくなることがある。そこで飛行姿勢をできる限り安定させ、固定重心でどこまでディープを狙えるかという開発がスタート。深度を稼ぐために必要不可欠なのは飛距離。そのために重量と空気抵抗軽減が必要だが、食わせのためにボディサイズは大き過ぎず、スナッグレス性能のためには浮力も無視できない。
目指した性能のために相反する課題に向き合う
課題の飛びにおいてはボディとリップ形状を追い込み、超低重心ウエイトによる回転抑制効果もあり、固定重心DRクランクとしては比較的飛行姿勢が乱れにくくロングキャストを可能にした。またプラスチックの限界を超える泳ぎのために、強度を維持してABS樹脂を軽量化できるハニカムスーパーHPボディを採用。加えてフロントには断面三角形で後方に重心のある成形鉛を低重心にセット。リアには高比重タングステン玉を腹から露出し限界まで低重心化し内部空気も増加。この2ウエイトを胸のエイトリングが横アイだからこそできる接近度合いで配置し重心を集中化。ボディ壁の薄さと重心移動のレールが無いことによる軽さ、ウエイト位置のトリプル効果で泳ぎ出しが良く、巻き抵抗も軽い。ディープレンジではタイト寄りのアクションでも振動がしっかりと手に伝わる。モノに当たってヒラを打った後の復元の早さ、ハイピッチでライブリーなアクションにも貢献。飛びのために浮力を殺すことなく、回避性能のために必要な浮力を確保。セッティングを煮詰め6mレンジでもテクニカルなクランキングを可能にするディープクランクが完成した。