バサー「THE WILD CARD」レポート
さて、前回ちらっと報告させていただいたワイルドカードですが、今回はそこからお話をしたいと思います。
バサーオールスタークラッシクはその名のとおり、並木さんはもちろん国内のスター選手のみ出場できる栄誉ある一戦。
そしてワイルドカードは1年に1度だけ行われるバサーオールスタークラッシクに出られる権利を獲得できるトーナメントです。
昨年からはじまったこのワイルドカードですが、メーカー各社がこぞって選手を送り出し、相まみえるという、ハイレベルであること間違いなし! なトーナメント。しかも優勝者しかその権利を貰えないという、とてつもない狭き門なのであります。
そんな一戦に今年、チャレンジさせてもらいました!
ボクにとってバサーオールスタークラッシックは夢の舞台ですからね。もう、10年以上も出たいという気持ちで、毎年選手のスタートを見送っていたのですから…
さて、もちろん気合いは十分ですが、会場は徳島県 旧吉野川。そう気軽に何度も行ける場所ではありません。当初2日間の直前のプラクティスを組んで挑む予定でしたが待ちきれず、夜中に走りきって1日多く水上に繰り出しました。
久しぶりの旧吉野川! しかも真夏の徳島県はやっぱりハンパなく暑い!
通常ならこの時季、最上流部の橋下か水門の開閉に合わせた、ともにカレント狙いがセオリーなのですが、水門情報を調べると試合当日は一切、開閉することがない停水日。それを頭に入れてプラクティスを開始したのですが、最上流が思ったより釣れない! それがプラクティスを終えた初日のイメージでした。
しかしそんな中でも、上流部のカレントが当たるブッシュをドライブホッグのリーダーレスダウンショットで撃っていくと、釣ることはできました。が、魚のサイズもイマイチで、そんなにバイトも多発しない…
定番の上流がパワーがないのか、それとも狙いがハズれてるのか? 初日はそんな不安を抱えたまま終了。
プラクティス2日目は初日のパターンをふまえて、すべてのエリアをドライブホッグのリーダーレスダウンショットとドライブスティックのバックスライドで撃っていくことに。どこもなんとなく釣れる程度で、「エリアと食わせ方」、これをビッグバスのみ釣れるパターンに絞りたい、しかし、決定的なビッグバスのパターンがイマイチ絞れない… という印象でした。
そして3日目は、今切川を中心にプラクティスを実施。
旧吉野川の上流が有利とささやかれる中、今切川は人も少なくプレッシャーは低い。と言うか、人がいなさすぎて不安になるくらいほど。しかし嫌いではないエリアで、前日に入ったときも決してバスの魚影は薄くなかった。
そんな中、しっかり見ていくと少し流れのできる場所に見えバスが溜まることに気付き、HPミノー3.1インチのノーシンカーでトゥイッチすると反応を得ることができました。しかも、サイズがいい!
さらに、お昼近くなると吹く海からの風が当たるアシ際や、流れが当たる橋脚に対してHPミノー3.1インチよりやや重めのドライブスティック3インチのノーシンカーを少し沈めてトゥイッチすると食わせられるパターンを発見。
3日目のプラクティスは3日間の集大成のように上手くはまり、5kgのウエイインが見え、ちょっと確信を得ることができたものの、試合当日は停水日… 同じようにはいかないということはうすうす気付いてました。ですが、それと同時にエリアに対する自分の中の自信もできてきました。エリアに関しては魚の濃さがあるので大丈夫だろう、と!
そして試合当日。多少、流れのある朝イチにドライブスティック3インチのノーシンカーパターンからスタート。護岸、橋脚と試していくが反応はナシ。サイトでもバスの姿を見つけることができませんでした。
確かに水色も昨日とは違って悪い。1時間ほど費やしましたが、切り替えて一気に下流へ!
そこで入ったのが水を吸い込んでいる水門。
普段は水を出している水門なのですが、満水の時は逆に吸っています。そこに水と一緒に吸われてくるのがなんとセミ! 水門の脇に生えている木から落ちるセミ、そしてそれを狙うバス、という方程式を発見。
そこにオリカネムシを流すと待望のバイト! しかし、ショートバイトですっぽ抜け…… 狭い水門ではすぐにスレちゃうため、もうミスは許されません! そこで、オリカネムシのボディのみをマスバリにセットしてチョウチンで狙いました。オリカネムシのボディはそれだけでもしっかり動く手足が付いていて、吊された状態でも水面で細かい波紋を立て、素晴らしい集魚効果を見せてくれます。
そしてバイト!
今度はしっかりとフッキングに成功! 無事に、1匹目のキロアップをキャッチしました。

その後、水門にいたバスがスレてしまってバイトが遠のいたので、ほかの水門のラン&ガンを敢行しましたが不発。キーパー(30cm)に満たない魚しか獲れませんでした。
そしてお昼近くになり、ついに待ち望んでいた風が吹き出しました!
風が最も当たるアシの島へ走ると、プラクティスの時より強い風が当たっていました。プラクティスで感触のあったノーシンカーではキツい… しかし、これはよりチャンスと思い、リーダーレスダウンショットにドライブクローラー4.5インチをセットしたタックルでアシ撃ち。
プラクティスの時に釣れていたドライブホッグではなく、ドライブクローラーにしたのは濁りが入っていたため。そしてアクションや体積でアピール力を上げるためでした。
ひたすらアシを撃っていき、風表の一番最初に当たる場所で、今までにない重い感じのバイト! 即座に、思いっきりフッキング!!
ロッドとラインが風を切る音とともにラインが走り出し、重厚なファイトがスタートしました。ネットが使えないハンドランディングルールにドキドキしながら、無事にキッカーフィッシュをキャッチ! 1,800gオーバーのビッグバスをランディングすることに成功しました。

その後バイトはあるもののノセきれず、水門パターンに戻ってダウンショットで小ぶりのキーパーを1匹追加し、ウエイインへ。
結果的には3位で終わってしまいましたが、お昼で終了したWEB上のリアルタイム速報ではトップを走っていたためかなり注目されていたようです。
他のO.S.Pメンバーとも戦いました。普段のトーナメントでは戦えないメンバーとの試合もおもしろかったですね!

本当に悔しくてしばらく動けなかった…
終わってしばらくしてもまだ「こうすれば勝てたかも…」などと、ずーっと考えてしまうくらい、本当に勝ちたかった。
今年はオールスタークラッシックの舞台への道は開けなかったけど、またチャンスがあればトライしたいと思っています。
ワイルドカード参戦の様子はこちらの動画でご覧いただけます。プラクティスからの密着ドキュメンタリー風になっております。