ハイカットの楽しみ方

O.S.Pのレポートを始めて今回で20回目になりました。

記念すべき祝20回目といきたいところですが、一番厳しい時期に当たってしまいました。

フィッシングショーも毎年ながらいい時期に開催するなーと思います。バスを釣るのにも一番厳しい時期ですからね。

でも、厳しくてもチャンスはあるということで、今回はこの時期に必須のハイカットについて紹介させていただきます。

低水温期欠かせないのが、ミノー系シャッド『ハイカット』

■待っていましたハイカット

これまでも2m前後をもぐるシャッドは必要不可欠なルアーだとは思っていたのですが、どれもグッとくるものがなく色々なメーカーのシャッドを使っていました。

発売前にO.S.Pのテストプールでハイカットを見たときにこれだなと思い、発売を非常に楽しみにしていました。

ハイカットの良いところはおいおい書くとして、なぜ2m前後のシャッドが必要かというのを先に説明したいと思います。

この時期、水温が底をついて、暖められたり、冷えたりするのですが、常に温かい水は水面付近にあります。

冷めたお風呂と同じで、温かい水ほど比重が軽いので表水面は温かいけど底は冷たいといった状態にあるのです。

バスの状態を考えてみるとシャローで越冬するほとんどのバスは少しでも水温が高いところにいたいと思っているのですが、超ドシャローにいるのもリスクが高いし、表水温の水温が高いところから少しもぐったところにいると思います。

これがたいていの場合、2m前後という水深で実際には、ハイカットを巻いていってちょうど見えなくなるくらいの水深から深いところです。

ボトムにタッチさせるかどうかというのを気にされる人がいると思うのですが、この時期はボトムでも壁でもその水深にあるものなら何でも寄り添っているように感じます。

特に毎回ここで釣れるというようなピンはよっぽどの条件がそろっていないと見つけられなく、いいストレッチでそのとき一番良い条件のところで釣れる場所が微妙に変わると思います。

ちょっとしたにごり方、10cmの増減水でも違うと釣れる場所が微妙に変わってきます。

この時期、バスを釣ろうと思ったら、ディープをやるかシャローをやるかになると思うのですが、秋の後半ディープがだんだん釣れなくなってくると、ディープの水温は春まで回復することがないため、下降線の一途をたどるだけでシャローの2m前後を丹念にやった方が、まだ簡単にバスを釣ることが出来ると思います。

その日によってサスペンドする水深は若干変わってきますが2m前後をシャッドで丹念にやることがチャンスを大きく広げることになると思います。

(写真:1月4日(水温7℃)に釣った2009年初バス(すみっこに見えているのはあれ?実はこれが初・・・))
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■今シーズン気がついたこと

年末、シャッドで釣れるはずと思って陸ッパリに出かけたのですが「あれ?今のバイトだったよなー」というようなバイトが数度あったのですが、シャッドでは釣れず、暖かくなったのを見計らって、夕方ハイピッチャーのカラーブレードでボウズを逃れました。

その日家に帰ってバサー2月号の山木プロ×シャッドの記事を見てひらめきました。「あーこれだ」と。

ロッドをノーシンカー用のロッドに変えて、ドラグをズルズルにしてやってみました。その結果次の日から、

12月28日 4本
12月29日 1本
12月30日 1本
12月31日 1本
1月4日1本
1月10日1本
1月11日1本
1月31日1本
2月1日2本

とすべてハイカットのみでの釣果です。

まず、ドラグはなぜズルズルが良いかというと、ただ巻き+ポーズで使うのですが、ポーズから動きはじめでバイトがあることが良くあります。

このとき自分のほうから強く引っ張るとほとんどがノラないということが分かりました。

今まで「バイトかなー?」と感じていたのはことごとくバイトだったのだなーと。

この時期、バイトがあってもバスから引っ張るか、自分から引っ張るか、先に引っ張った方が負けな様なイメージです。

バスがシャッドを食べてから反転するまで待つぐらいのイメージでいないとダメなような気がします。

ドラグがズルズルだとそれを自動的にやってくれるので、魚を取り込むのは慣れるまでは大変ですが、少しでも多くのバイトを得たいのであれば是非お勧めです。

ロッドも色々試してみました。スモールプラグ用(バトラーでいうとトーラス)、ダウンショット用(バトラーでいうとスカイフラッシュ)、ノーシンカー用(バトラーでいうとヘルファイヤー)等試してみましたが、ロッドによってもバイトをはじいてしまうことがよく分かりました。

なるべくやわらかいロッドの方がのりやすいので、この時期に限ってノーシンカー用のロッドを使っています。

あと、やわらかいロッドを使うメリットがもうひとつあって、超スローに巻くのですが、超スローだとやわらかい程感度が良くなるのです。

どれくらいスローかというとスピニングリール1/3~1/2回転+5~10秒ポーズという感じです。普通の時期だと考えられないですが、これくらいしかチョコチョコ動かさないと逆に底の様子が手に取るように分かります。

(写真上:12月27日ハイピッチャー(C.B.ブルーバックチャート)で)
(写真下:12月31日(水温11℃)で釣った2008年ラストバス(やせてはいましたが丸呑みでした))
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■ハイカットの有用性

最近、オカッパリで水路の壁を撃っていくやり方でやっているのですが、ハイカットだと目的の水深まであっという間に射程圏内に到達します。

スピニングリールで1~2回転ぐらい。壁際10cm~30cm以内を目標に投げるのであまり遠くを狙えないので、何度も近距離を投げていきますが、ロスが少ないです。

後はオープンウォータでの動きのよさは、O.S.Pルアーならではで、スピニングリール1/3~1/2回転しかまかない状態でもしっかりアクションしてくれます。

ただ、ボトムやストラクチャーに当たったときだけ注意が必要で、この時期派手なアクションは一切いらないと考えています。

そのため何かに当たったときブリッとはずさないで、そのままゆっくり巻いてくることが大切だと思います。

これが嫌で、ダルイ系のシャッドとキビキビ系のシャッドを使い分ける考え方もありますが、超スローでのオープンウォータでの動きのよさを優先させるのであれば、キビキビ系のシャッドでストラクチャーに当たったときに気をつけて引くほうが僕個人的には釣れるような気がします。

いずれにしても、何か当たるところでゆっくり引く&ポーズも長く、釣れないときほどゆっくり引く&ポーズも長くが基本でいつもこれを心がけてやっています。

またフロロカーボンを使用した場合、シャッドが完全にとまっていないことがあるのでこれにも注意が必要です。特にキビキビ系のシャッドはとまりにくいので。

スピニングリール1/3~1/2回転しかまかない状態でも+αでラインが完全にたるむまでシャッドは動いています。

ロッドを上に裁くか横に裁くかというのもよく言われますが、上に裁くほうが、シャッドの深度は浅くなりますが、それだけではなくラインが水面に出ている部分が多いので+αの動きが多くなります。

その分も加味してロッドを動かし、ポーズを開始した時期を見極めなければ釣果に大きく差が出ると思います。

風がないときはどちらでも良いと思うのですが、この時期、必ずといって良いほど風が吹くため、ロッドを水面すれすれまでつけて、リールの巻きだけでシャッドを動かすのを僕は多用しています。

■恵みの雨

先ほどの釣果で書いたように、1月18日~1月24日も釣りに行っていましたが苦戦していました。

理由は水温の低下により濁りが完全にとれてしまったことです。

水温が落ちてくる(4℃付近になると)とみるみる濁りがとれていくことが分かりました。

これも水の比重の関係なのか水面が4℃近くなると浮遊物が底に落ちていくのでしょうか?

いつも狙っていた2m前後の底が丸見えになってしまったのです。

その法則を逆手に取ると濁りがとれにくいところは、水温が落ちにくいエリアになりますので、フィールドに通ってどこが一番濁りが取れにくいかというのを観察するのも大事なことです。

結局釣れなかったときも濁りがとれにくいストレッチがこれまで一番釣れていたことが分かりました。

この時期、晴れると朝は水温が下がって、日中は少しあがりますが、朝晩の放射冷却によりトータルとしては下がります。

曇りの日のほうが暖かく、そのときに雨が降れば、それによって水温は大きく上昇します。

ちょうどこのときも1月30日に10℃くらいの雨が降り、水温が回復して釣れる様になりました。

夏も冬も雨というのはありがたいなーと感じています。

雨が降ったときの気温=雨の温度なので、是非これからの時期は気にしてみてください。

それが今のフィールドの水温より高いか低いかで魚の動きが変わってきますので。

あと、もうひとつ法則があって、よく釣れる日は小さいのが釣れて、小さいのが釣れているうちはしばらくの間釣れてくれます。

だんだん数が出なくなり、渋くなってくると大きいのしか食わなくなり、やがて釣れなくなるというのがいつものパターンです。

これも目安にして魚がどういう状況にあるのか見極めるのもシャッドのアクションを決める上でも重要なことだと思います。

■最後に

立春も過ぎ、バスももうすぐ春の動きをしはじめてくる時期かもしれません。

そのうちダート・トゥイッチ・ポーズを入れないただ巻きで食ってくると思いますが、それまではこのレポートを参考にハイカットでじっくりやってみてください。

この時期に釣れるバスはものすごくうれしいですから。初バスがまだの方はぜひハイカットで初バスをゲットしてください。

(写真:2月1日(水温8℃)で釣った黒々したバス)
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