HPFクランクの有用性

今年は暖かい春で桜が咲くのが少し早く、湖の水温の上がり方も順調です。暖かい気候で安定してくるとシャローに上がりたてのバスは巻物で釣りやすくなります。今回は、特に春のシャローで有効なHPFクランクの特徴と使い方をご紹介します。

HPFクランクの特徴(スペック2との差)
HPFクランクが今年久しぶりに再生産され、4月下旬頃に店頭に並ぶ予定です。

どちらかというとHPFクランクSPEC2がフラットサイドクランクの代名詞のようになりましたが、HPFクランクも僕は1軍ルアーとして使い続けています。再生産されると聞いて本当に嬉しく思いました。

HPFクランクSPEC2は結構使われている方がいると思いますので、その違いを説明することで特徴と使い方をご紹介します。

アクション
HPFクランクSPEC2は超ハイピッチで早巻きしてもまっすぐ泳ぐのに対して、HPFクランクは早巻きすると少し傾いて泳ぐようになります。もちろん、普通のリトリーブであればまっすぐ泳ぎます。それで、この「少し傾いて泳ぐ」というのがHPFクランクの特徴でもあり、武器にもなると思っています。ブルーギルやタナゴなど扁平な魚を観察していると、全速力でフィッシュイーターから逃げるときは「少し傾いて泳ぎ」ます。HPFクランクSPEC2はカバー、ボトムにコンタクトしたときにこの動き「少し傾いて泳ぐ」が出るのに対して、HPFクランクはプラスアルファし早巻きしてもこの動きが出ることを理解すると、使い分け方が分かってきます。この「少し傾いて泳ぐ」動きを意図して出せるところがHPFクランクのすごいところで、食わせたいポイントで仕掛けていけます。

また、カバーやボトムにコンタクトしたときの動きを注目すると、HPFクランクSPEC2はストラクチャーに対して超タイトに沿って泳ぐのに対して、HPFクランクは当たった瞬間ダートする動きを持っているのもよく把握しておいてください。

キャスタビリティ
HPFクランクSPEC2が8.9gに対して、HPFクランクは9.8gとウェイトが重い分、HPFクランクのほうが投げやすいのですが、さらにHPFクランクには重心移動システムがついています。ラウンドタイプのクランクベイトに比べ風の影響を受けやすいフラットサイドクランクは、特に向かい風、横風のときに苦戦しますが、HPFクランクはこの問題点を高いレベルでクリアしているフラットサイドクランクです。

(写真上:2010年3月13日HPFクランク(マットタイガー)で釣った50cm)
(写真下:2008年3月23日HPFクランク(マットタイガー)で釣った48cm)
HPFクランクの使い方
アクションで解説したように、HPFクランクSPEC2はアフタースポーンのときは特に効きます。また、中層クランクのただ巻きで食べてくるときに、ぐるぐる巻いて釣れるときは非常に有効です。

一方、HPFクランクはそれ以外の全般をカバーすると思っていて、使えるシチュエーションはHPFクランクの方が多いのではないかと思っています。

例えば、春先のシャローに上がりたてのバスは、マッディーウォータにさして来ることが多いのでラトルありのHPFクランクの方に分があり、夏になってバスがブルーギルを追い始めるときもHPFクランクの動きの方がハイアピールで魅力的です。

HPFクランクについてまとめると、非常に投げやすくて、気づかないうちに色々なアクションをしてくれて、ただ巻いて釣れるという、フラットサイドクランク入門編としても非常に優れているルアーだと思います。

ロッドに関しては、HPFクランクSPEC2をいかなる風でも遠くに正確に投げようとすると、クランキングロッドよりかなり柔らかめの7ftロッドが必要ですが、HPFクランクはブリッツやブリッツMRを投げるような6ft後半のクランキングロッドで十分です。
最後に
HPFクランクはとても投げやすく、アクションも汎用性が高いルアーです。

これまでHPFクランクSPEC2しか使ったことがない方や、まだフラットサイドクランクで釣ったことがない方にとっても、釣りの幅を広げるのにとてもいいルアーだと思います。ぜひ試してみてください。

(写真上:2008年3月16日HPFクランク(クローダットタイガー)で釣った37cm)
(写真下:2005年5月35日HPFクランク(クローダットタイガー)で釣った35cm)

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