NBCチャプター弥栄湖第1戦、ハイカットで5位入賞
今シーズンの開幕戦(弥栄湖で開催されたNBCチャプター弥栄湖第1戦)、ハイカットで5位入賞することができました。
今回はその模様と、私が考えている春バスの釣り方をご紹介したいと思います。
春バスの探し方
プリプラクティスで2日間、前日1日と計3日間の練習をしました。
水温は徐々に下がっていき、プリプラクティスの1日目が一番水温は高かったのですが、悲しいことに、こういうときにトーナメントはあたるものです。
弥栄湖は3本の川筋から構成されており、そのうち流入量の少ない2本の川筋からスポーニングが始まるというのが例年のことなので、2本の川筋と本湖を徹底的に回りました。
(写真:3月21日プリプラクティス1日目に釣ったワンドのマウス部で来た、ちょっとした濁りにいた40アップ)
春、水温が下がる要因には、放射冷却によるもの、風によるもの、雪解け水によるものなど色々ありますが、そのエリアの水温が上がったのか、下がったのか簡単に見極める方法があります。
水の濁り方をみて判断でするのですが、同じ水温でも水質がクリアになっていたら水温が落ちたエリア、水が濁っているエリアは水温が上がったエリアという具合です。
また、水が濁っているエリアは、相乗効果で濁り水が太陽光線を浴びてさらに水温上昇するので要チェックです。
冬から色々やってきましたが、この法則はかなり当たっていて普通の状態の水質を知っていれば、間を空けて行ったフィールドではかなり役に立つと思います。
その理屈は、前回のコラムでも書いたように水温が下がると水中に浮遊していたものが底に落ちて、水温が上がると底の浮遊物が浮いてくるという水の比重の仕組みからきているのだと思います。
特に水温が13~15℃くらいになると夏では絶対に避けるエリアである、アオコのようなものが浮いた状態になるところがあります。
これが、湖全体が11~13℃くらいだとまずプリの魚が差してくるエリアになるので、こういうエリアを見つけるとルアーを投げる前からウハウハしてしまいます。
また、風による影響も大きくて強い風が吹きつけると表層面の暖かい水がその方向に流れます。
それにより、ベイトが寄るだけではなく、ある程度底の方まで水温が上がるので、魚が差してきやすいエリアになるのは間違いないと思います。
風が吹きつけるワンドで、ルドラやハイピッチャーでプリのいい奴がくることが良くあるのですがそれもこれらの理由からだと思います。
最後に付け加えると雪解け水が入ると、濁りがあるけど白っぽい濁り方をします。
これが入ってくると僕は手も足も出ないので、退散することにしています。(笑)
ただ、これも水温が上がりやすいエリアだと結構回復力が早いので、トーナメントまでの期間を考えてどれくらい回復するかチェックする必要がありました。
これが今回のチャプターの反省点で、トーナメントの最後にこのエリアに行き、水温が前の日より上がっていることに気がつきました。
やられたーと思ったら案の定、2位と3位の人はこのエリアで釣ってきました。
『ハイピッチャーと濁り水』
春にプリの魚がさしてきて、もっとも反応するルアーはスピナーベイトだと僕は思っています。
もっとも手っ取り早く釣れるルアーという方が正しい表現かもしれません。濁った水を見つけたらまずハイピッチャーを投げます。
それでバラシたり、甘噛みだったり、Uターンしたりというのがあったら、他にルアーを変えるという具合です。
トーナメントの練習では、魚がいることさえ確認できればいいので、甘噛みやUターンで釣れないけど魚がいることさえ確認できるスピナーベイトというのは、この時期非常に都合がいいのです。
プラクティスでは、あまり釣りたくはないけどなるべく目立つカラーで、魚の有無だけ確認したいということで、昨年発売されたC.B.ブルーバックチャートを多投しているのですが、困ったことにバイトが深くなってしまいました。(笑)
もうちょっと使い込んでみないとわからないのですが、明らかに濁った水ではアピール力もあって、バイトも深くなると感じ、練習だけで使うにはもったいないなーという気がしてきました。
あとバスフィールドとして歴史のあるリザーバーだと、満水になるとオーバーハングは激しいけど、実際水中は侵食やボートが当たって削られてバンク沿いのストラクチャーはプアだったりします。
そういったエリアではやはりハイピッチャーやHPFクランクなど、オーバーハングの奥に入れて地形変化を釣ったり、中層を釣ったりするのが良いと思います。
ところが、4~5m以上減水するとフレッシュなスタンプや、岩などが結構残っていたりするので、ブリッツやブリッツMRなどで確実に釣っていく方法もあると思います。
そういう場合もスピナーベイトをスタンプや岩に絡めて釣るなど難しい釣りもありますが、スピナーベイトが一概に万能ではないというのも付け加えておきたいと思います。
(写真:3月22日プリプラクティス2日目雨で水温が落ちましたが,同じワンドのマウスにできたひと回り大きい40アップ)
『水温と魚の動き』
春先、水温が落ちたら魚はワンドのマウス部に寄り、水温が上がるとワンドの奥で釣れはじめるというのは、どこの雑誌にも書いてあるセオリーどおりですが、このときの練習はまさに教科書どおりの魚の動きでした。
ワンドの入り口でしか釣れないワンドは、水温が下がると魚が消えてしまう。
ある程度ワンドの奥で釣れていた場合は、水温が下がってもマウス部に魚が寄って入り口に近い部分で釣れるといった状況でした。
また魚が小さくなると、水温が上昇傾向で魚が増え、魚が大きくなると魚の数は減って水温が下降傾向でした。
これも冬と同じ傾向です。それも加味しながらエリアごとの季節の進行具合、水温変化の魚の動きを把握していくことが非常に大切だと思います。
また、昨年同じ時期のトーナメントで、冷たい雨が降ったから=魚がスローになると考えていましたが、雨の降り始めや降っている途中は逆に大きいプリの魚が差してくるとことも分かりました。
雨が降ってからしばらくたつと、冷たい雨がだんだん底に到達して魚の動きはスローになると思うのですが、降ったタイミングを考えなければならないというのは、去年の反省もふまえて身にしみて感じました。
プリプラクティスの1日目は晴天で、2日目は朝から大雨でどちらの日も2本しか釣れなかったのですが、1日目は40cmと37cm、2日目は46cmと44cmで、これまでの2つの写真にあるように、同じC.B.ブルーバックチャートで同じエリアで釣ったのですが、2日目は水温が落ちて釣れるエリアが少しワンドのマウス部に寄りましたが、サイズがひと回り大きくなりました。
あと基本的にオーバーハング際を狙うのですが、オーバーハング際を狙うとプリのオスが釣れることが多いので、確率は高いのですが魚のサイズが少し小さいことが多いです。
逆にミスキャストしたなと思うくらいの時に、確率は低いですがプリのメスが釣れることがありますので、魚が差してきそうなエリアには岸際と少しは離れた沖を狙うくらいの丁寧さがあると、ビックバスを釣ることができると思います。
『ハイカットとクリアな水』
やっと本題に入りますが、今まで水温が低い本湖を狙うのは苦手でした。スピナーベイトでやっても一向に反応がないのですが、これまで同じ時期の大会では、シャッドのただ巻きで上位入賞者も出ており、今年はハイカットもあるし、ぜひ試してみたいと思い結構時間を割いて練習をしました。
練習では、1本も釣れませんでしたが、3回くらいハイカットを追いかけてくるチェイスがありました。
練習ではエリアも絞れず少し雑に流していたのですが、明らかに川筋で釣れるバスよりひと回りも、ふた回りも大きいバスでした。
しかも、遅く引けば遅いほど反応があり、そういう動きにしか反応しないバス(そういうのに限って大きい)もいることに気がつきました。
また、弥栄ダムは本湖の水深が60m位あるので、水温が低いながらも安定していました。
2本の川筋は水深が比較的浅いので水温が上がりやすいけど、下がりやすい。
ですから、悪くなったときほど本湖の方に分があるのではと考えていました。
チャプター本戦は放射冷却で水温が下がってしまったので、本湖に直行してハイカットで狙うことにしました。
クリアな水質なので、スーパーゴースト公魚をチョイスして狙いをつけたエリアを手前からやっていったのですが、やはり練習より手前のマウス部(岬のぎりぎりの先端)で釣れました。
ボートを止めて超スローリトリーブで、練習で釣った魚よりも明らかに大きいサイズが釣れ狙いが的中しました。
ただ、釣れた場所が岬のぎりぎりの先端だったため、これ以上釣ることが出来ず5位に終わってしまいましたが、1位と4位の人も本湖でキッカーフィッシュを釣っており、練習の成果が間違いなかったというのが確信できてとても有意義なトーナメントだったと思います。
『最後に』
今シーズンから広島チャプターの会長をさせていただくことになりました。副会長のご好意でこれまでどおり、チャプター戦に参加させていただくことにもなりました。
これまで以上に釣った人には多くを語っていただき、釣れなかった人には多くを勉強して帰っていただくトーナメント運営を目指してがんばりたいと思います。
また、トーナメントに興味がある方はぜひ気軽にご相談いただければ手取り足取りご説明させていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
(写真:3月29日ハイカットで45アップ(1,200g)を釣って、新しいトーナメントシャツで5位入賞することが出来ました。)
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