鈴木隆之 | レポート&プロフィール

激動の第1~2戦を振り返って!!

アメリカ!FLW!そして並木さんの釣り!

すべてが新鮮で感動の連続です!!

広大なエリアから魚を見つけ出す並木さん

特筆すべき並木さんのテクニックと魚の探し方とは、まずキャストの手返しが早い事です。

単に早いのではなくて、丁寧な釣りなのですが全く無駄が無くそれでもキャストするポイントは的確に狙って撃っているのです。

そして魚の探し方ですが、とにかく湖沼図と“にらめっこ”ばかりしています(笑)。

しかし、今回のオキチョビは水深がかなり浅い為に、魚探よりも風向きやカレント、わずかに残ったベジテーションがバスを見つけるヒントになった様でした。

そして、並木さんは試合が近づくにつれ食欲が無くなってしまい、だんだん顔も痩せていき…(試合のプレッシャーとは相当キツイようです)

そして迎えた試合当日、会場に向かう車の中で気合の入った並木さんは静かに目を閉じて瞑想している感じに思え、試合に対する意気込みを肌で感じ取れました。

そしてスタートの時間になり、アメリカの国歌斉唱が始まりました。

僕にとっては初めてのF.L.Wの試合だったので、全てが新鮮で感動の連続です!!

やがて全開で走って行った並木さんを見送った僕の仕事といえば、風景の撮影や車の洗車をしながら待つこと8時間、選手達が次々と帰着し始めました。

帰着した並木さんに話を聞いてみたところ、『朝一番から前日に見つけた、魚が一番濃い場所に行ったが今日は釣れなかった。』との事で、初日を153位で終えたのでした。

そして迎えた2日目の朝、今日はどんな釣りをするのか聞いてみると『1日目とは違い、メインはフリッピング!』と言いタックルも殆どがフリッピング用で、重さが違うテキサスリグを何本も用意していました。

しかしスタート直前になってフックの軸の太さに不安を感じた並木さんは大至急、全タックルのフックを太軸に交換したのでした。

そして、スタートを見送った僕はビックフィッシュが釣れる事を祈りつつ待つこと8時間、帰着を終えた並木さんの所へ駆けつけました。

早速、今日の釣果を聞いてみると『1本キッカーフィッシュが入ったんだけど…残りの4本が小さいんだよ~』と悔しがっていました。

しかし大好きなフリッピングを1日中やり通した並木さんの顔には、初日とは違う満足げな表情が窺えました。

結果は2日目が62位総合で113位でした。全力を尽くして戦い終えた並木さんは、夕食を食べ終えたらすぐに爆睡してしまい…こうして、第1戦レイク・オキチョビの幕は閉じたのでした。

試合の合間にルアーのテスト!そして第2戦の地へ。

第1戦が終わった翌日、第2戦の地レイク・マーレーがあるサウスキャロライナまで移動する事になりました。

が、ここで裏話。荷造りを終えて出発する事になった僕らでしたが、最後にちょっとだけオキチョビで釣りをしようという話になり、O.S.Pが現在開発中のラバージグのテストを兼ねてボートを出すことになりました。

結果から話すと、僕が最初に1本、続いて並木さんに1本でした。(僕の方が大きかったです!)
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ここでちょっとだけ、このラバージグの事をお話します。

詳しくはまだ言えませんが、普通のラバージグよりも大きめの針でガードに工夫がしてあり、すり抜けの良さは抜群です!!

乞うご期待…こんな感じでプロトのテストを終えた僕らは、本格的な移動に入りました。
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途中デイトナビーチに立ち寄り、気持ちをリフレッシュした僕らは(並木さんは、いまどき“波が呼んでるぜ!”と叫んでいました…)

長い道のりを経て、レイク・マーレーの近くにあるコロンビアという町に辿り着きました。

そして前回のオキチョビ戦の悔しさを晴らすべく、僕らは翌日から湖に出たのでした。

しかしこの地はフロリダとは全く違う気候の寒~い所であり、寒がりの僕にとっては毎日防寒服を着なければ釣りが出来ない所でした。

それに加え今回の湖も前回同様変わってしまっていて、マーレーの特徴と言えば無数に入り組んだ地形と豊富なグラスでしたが、そのグラスが全く無くなっていたのです。

原因はグラスカープ(日本で言うと草魚)が全部食べてしまったらしいのです…そこで、グラスが無くなって残った物といえばブラッシュパイル(日本で言うとオダ)とスタンプと考えた並木さんは、魚探を使って探しまくりGPSに入力していったのです…が、突然のアクシデント!!

湖の減水により、出てきた岩にエンジンをヒットさせてしまいました。

幸い大事には至らなかったのですが、試合前に修理する事になりました…そんな事がありながらも朝の日の出前にはボートを浮かべ、外道のパイクのバイトには頭を悩ませられ(並木さんはパイクが釣れると、何故か?必殺仕事人のテーマ曲を口ずさみます…)

夕方の暗くなるまで釣りをするという日々を約半月続けた結果、プラの終盤に入ると4ポンド~6ポンドのグッドサイズが釣れるエリアもつかめ、釣れた日は2人で5匹の重さが21ポンド(約9.5キロ)になった日もありました。

そしてプラの最終日、今回の試合結果を大きく左右する運命とも言える、事前に見つけたブラシュパイルに魚が付いている事を確認して試合当日の朝を迎えました。

巻き返しを誓った第2戦スタート!!

初日のスタート順は早い方だったので、前の日から決めていた場所に直行すると決めていた並木さんは全開でスタートして行きました。

そして8時間後、戦いを終えた並木さんは元気が無い様子だったので話を聞いてみると、朝一番で入る予定だった場所に前を走っていた選手のボートが入ってしまい、思うように魚を捕れなかったのです。

それもほんの僅かな差でグッドサイズを4,5本もキャッチされ…しかし、運命のブラシュパイルでキッカーフィッシュのキャッチに成功!

初日を15ポンド1オンスで折り返しました。

迎えた2日目…この日のスタート順は遅く、プラで見つけた場所には入れない事が予想され思い通りには釣れないと考えた並木さんでしたが、プラでやってきた事を信じて戦ってきた様子で晴れやかな顔で帰着して来ました。

早速話を聞いてみると、『昨日より釣れなかったが(実は昨日と同ウエイトです!)また例のブラシュパイルで釣れたよ!

でもさぁ4ポンド位のバスを、クランクベイトでバラシちゃった…』と苦笑いし、悔しげな表情でした。結果は25位!

あと少しで決勝に残れたのに…本当に悔しい戦いでした!

そして並木さんは『1つのヒントが全てを教えてくれる、優勝する時なんてそんなものだよ…』と言っていました。(本人は決め台詞のつもりです。

追伸ウォルマートに、一人で買い物に行けるようになりました(笑)
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TAKA’S voice from U.S.A

12月末から並木さんに同行!

アメリカから生の情報をレポートします!!

アメリカ初上陸!!

皆さん初めまして、僕は山形県在住のカントリーボーイ鈴木隆之、29歳です。

20歳の頃からトーナメントに出るようになり、本場アメリカの試合をどうしても見てみたいと思い、FLWツアーに参戦中の並木さんにお願いして同行させてもらうことになりました。

しかし、自分にとってはアメリカに行くことも一人で国際線の飛行機に乗ることも初めての事であり、まして今回は2回の乗り継ぎという至難の業をこなさなくてはならず…正直な話、アメリカに着くことが一番の目標でした(笑)

そして迎えた12月28日、成田空港を飛び立った僕は約9時間のフライトで、第一目的地のサンフランシスコ空港に降り立ったのでした。

しかし大事件発生!!乗り継ぎの便が来ないと言うのです…(実際のところ、全部英語なので何を言っているのか分からない)

大至急、頼みの綱の並木さん電話をしたが…『ん~っ…でもまぁ何とかなるよ…。』で終わってしまい、綱はあっさりと切れたのでした。

しかし、自分でピンチを乗り切った僕は(人間死ぬ気になれば、何とかなるものです!)3回の乗り継ぎを達成し、目的地のケンタッキー州に着いたのでした。

アメリカに着いた僕が一番初めに感じた事ですが、アメリカの人達は暑がりで、寒い地方でも殆どの人が半袖、短パン!

冬用のコートを着ている僕が変な目で見られそうです…そして、年が明けて2006年。

すご~く地味な正月を過ごした僕らは(アメリカの正月は日本みたいにバカ騒ぎしないみたいですよ)ケンタッキー州のパドゥーカという町から約1500キロの道のりを経て、第1戦のレイクオキチョビがあるフロリダに移動しました。

フロリダの印象はというと…朝晩に冷え込む時はありますが日中になると半袖で過ごす事ができ、�めちゃくちゃあたたかい!�でした。

僕の住んでいる山形は4月まで電気毛布で寝ているのに、フロリダのビーチでは水着で歩いている人も居るのです!!

北国に住んでいる僕にとっては、本当に幸せな所でした。

しかし、昨年の10月に来た大きなハリケーンの影響で屋根が吹き飛んでしまった家や、めちゃくちゃになった看板等が町並みの至る所にありました。

湖もかなり変わってしまった様で、ベジテーションで出来ている島等も無くなったそうです。

それでも残ったべジテーションがあるエリアでは、まるで迷路のように入り組んでいて、初めて行った僕はすぐに訳が分からなくなりました。

一人で行ったのなら絶対に迷子になってしまいます!

このレイクの釣り方はやはりフリッピングだそうで、フリッピングと言えば“並木敏成”と言う程上手なキャストを見せられた僕は、また一つ勉強になったのでした。

次回に続く!
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追伸英語の勉強も毎日しています…