パワーダンクの季節到来、シャッドの有効性

僕は昔、O.S.Pにクランクベイトがないからという理由で、クランクベイトの代わりにパワーダンクを使っていました。

しかし、クランクベイトとシャッドは大きな違いがあるわけで、最近少しずつ違いを理解し始めました。

今回はシャッドの有効性について紹介させていただきます。

シャッドプラグの有用性

僕は昔、O.S.Pにクランクベイトがないからという理由で、クランクベイトの代わりにパワーダンクを使っていました。

しかし、クランクベイトとシャッドは大きな違いがあるわけで、最近少しずつ違いを理解し始めました。

今回はシャッドの有効性について紹介させていただきます。

シャッドプラグの有用性

最近、スローフローティングをうたったクランクベイトがたくさん出ていますが、元来そういう目的の使い方はシャッドの役目だったのじゃないかと思います。

抽象的に言うとクランクベイトはグリグリグリ~ドッカーンという感じで、シャッドはもっと繊細にワームのようにトレースしてクリクリクリ~グーという感じです。

どうもクランクベイトが多様化すると、シャッドの存在感が薄れていくように思うのですが、やはり一般的にシャッドのほうが、クランクベイトより細身でピッチ(振幅)が多い分、タフなバスに対してスローに動かしたときに質の高いアピールをすると思います。

また、これも一般的にですけどシャッドの最大の弱点として、リップの抵抗が少ない分、クランクベイトより潜る角度が浅くなるので最高深度に到達するまでの助走距離が長くなり、プロダクトゾーンの距離が短くなります。

パワーダンクはシャッドの中で最も急潜行しますが、ディープクランクほどではないので、この特性を理解して使いこなすことが大切だと思います。

シャッドは、極寒やタフコンディションの中で、その特性を発揮するルアーなので、今のフィールドの状況を考えれば、シャッドを極める方が多くの状況でハードルアー使いこなす真の巻物師への近道だと思うのです。

パワーダンクの特徴

非常に飛距離が出る  = プロダクトゾーンが広がる。最高深度が深くなる。
ピッチ(振幅)が多い = タフコンディションに有効。スローでも効く。

とシャッドで特に重要とされる性能を満たしている数少ないルアーだと思います。

(写真1:2006年2月19日パワーダンクSP(チャートブルーバック)で釣った48cm)
83_1
『アイの調整方法』

パワーダンクは先ほど書いたピッチ(振幅)を多くするために、極限までアイがシビアなところについています。

最初これに躓く人が多いかもしれません。僕もその一人でした。

しかし、最近になって思うのは、名器とよばれるクランクベイトも同じようにアイの調整が非常にシビアなのです。

例えば、ウィグルワートもあの大きな動きにもかかわらずアイが投げているうちに微妙に変わってきたりしますし、マッドペッパー、ファットペッパーもアイを曲げる方向によっては回転しやすい方向と、しにくい方向があるくらい微妙なのです。

曲がり方は、スローに引けば引くほど小さくなるので、多少の曲がりは、しかたがないのかもしれませんが、ルアーピックアップするときにもたつきますし、ある程度正確にやっておかないとルアーがもっている最大深度に届かないということになります。

また、スプリットリングをはずしてスナップをつける場合は必ず調整が必要です。

写真のようなグッズがあります。ペンチで調整するより微妙な力が調整できるので、大変便利な優れものです。

調整の仕方は曲がる方向と逆にアイを倒すのですが、一気に傾けると今度は逆に曲がるので、それを繰り返すといつになってもまっすぐ泳ぎません。

コツは反対に曲がらない程度にちょっとずつ曲げることです。

そうすれば絶対にまっすぐ泳ぐようになりますし、前のキャストよりは曲がりが少なくなるのでいいコースを引けるわけです。

もっと慣れてくるとルアーによって良い曲がり(曲がりが少ない)と悪い曲がり(ルアーが傾きやすい、またはらせん状に回転して上がってくる)方向があるので、良い曲がりの方向側で調整する方がばっちり調整が出来ます。

(写真2:アイ調整グッズ)
83_2
『シャッドとドラッギング』

前段に書きましたようにシャッドはプロダクトゾーンでの距離が短いのです。

イメージでいうとフルキャストしてルアーが落ちた距離(30mとすると)の手前1/3(10m)の前後2~3mといった感じです。

要は直径5mの水深4mのハンプがあったとしたら、何度も何度もいろんな角度から投げないと全部をカバーできないのです。

その辺がクランクベイトと違ってクランクベイトならある程度の距離(30mくらい投げたら20~15m)はプロダクトゾーンを通るので線の釣りが出来るのですが、シャッドはどちらかというと点の釣りになってしまいます。

例えば、沈んだ立ち木等を攻める場合でも、ストラクチャーの方向だけでなく、距離も重要になってくるので、一度でいいコースを通すのは難しく、何度も色々な距離、角度から投げることが必要です。

狙うカバーが大きく、しかしシャッドで繊細に誘いたい場合、ドラッギングという手が非常に有効になります。

ドラッギングとは後ろ向きにフルキャストしてエレキで前に進むという方法ですが、非常に効率よく4~5mのカバーを誘うことが出来ます。

例えば連続している岬の先端や、長い岬、馬の背、ハンプ、ブレイクなど適用できるところはたくさんあります。

まずは、ワームで攻める前にざっとバンクをドラッギングするとか、ワームで釣りきったあと確認のためバンクをドラッギングするとかだけでも使ってみてください。

必ずいい結果が出ると思います。シャッドの弱点であるプロダクトゾーンが短いというところを補うドラッギングというのは、シャッドと切っても切り離せない関係だと思います。

『フローティング、サスペンドの使い分け』

まず、フローティングですが、岸に向かって投げて深い方向に引く場合によく使います。

パワーダンク(F)ならゆっくり丁寧に引くことでスタンプエリアも問題なく引くことが出来ます。

よくあるシチュエーションが、低活性時にクランクベイトでバイトがあったエリアをもう一度フローティングで再度流すことです。

いきなりシャッドを通すと広範囲を探るのに時間がかかってしまうので、ミディアム、ディープクランクでバイトがあった場所をモア1フィッシュのつもりで攻めます。

また、サスペンドを使うシチュエーションで根掛かってしまう場合なども当然フローティングに変えることで根掛りを回避できます。

サスペンドはドラッギング、ピンスポットの立ち木などを攻めるときによく使います。

こういうシチュエーションのときはサスペンドでとめられた方が便利で、とめている間にボートの方向とかが変えられたり微妙な調整が出来たりします。

また、サスペンドはフローティングよりさらに潜ります。フローティングが4mより少し浅いのに対して、サスペンドは4mを少し超えるくらい潜ります。

また、ドラッギングの場合は、ラインの太さ、ラインを出す長さによりますが、4.5~5mくらいは潜りますので深いレンジを探ることが出来ます。

『最後に』

パワーダンクは、秋~冬~春にかけて必ずリグっているくらい信用しています。

春~夏~秋にかけてはHPFクランクを必ずリグっているのとちょうど反対の季節になります。

どちらもサーチベイトというか、絞り込んだエリアをより広く丁寧に釣っていくルアーだと思います。

4mより浅い場所でワームにバイトしてくるときは、必ずパワーダンクで同じ場所を試し、季節によらず最後にパワーダンクを通さないと、4mより浅いところに魚がいないとあきらめられないという最後の砦的なルアーです。

低活性時には欠かせないルアーだと思いますので、ぜひこの時期に困ったら投げてみてください。

(写真3:2006年8月27日パワーダンクSP(ソフトシェルクロー)で釣った40cmとそのときの魚探画像。こんな画像が現れるとドラッギングのチャンスです。)
83_3

関連商品