PROFILE

折金一樹

関東
(高滝湖、亀山湖、印旛沼)

房総半島のレンタルボートフィールドをホームとし、いまや関東を中心に全国を駆け回る通称「オリキン」。H-1グランプリに参戦し、優勝多数、A.O.Y.2回と驚異的な成績を収める、生粋のトーナメントアングラー。房総半島のレンタルボートフィールドで「オリキンガイドサービス」を営む。

オリカネ虫徹底解説

微妙に朝晩は涼しく、若干過ごしやすい日が続いています。

一見釣れそうな陽気ですが、反応はイマイチ!やはり夏は暑い方が釣り易いんですかね!

オリカネ虫を徹底解説

大好評を頂いているオリカネ虫ですが、予想以上の反響で本人が一番驚いております。この場を借りて御礼申し上げます。

さて、虫に詰め込まれたギミックや各スペックは各方面でご紹介した通り。

ただの謳い文句ではなく、長い期間をかけて釣るための性能を突き詰めた集大成です。

良い結果が出たパーツひとつとっても、敢えて逆の方向で試し理屈を裏付ける結果を確認したりしました。

それだけに過去の自作の虫はひとつひとつ違っていて、今改めて見ると実に面白いです。

何にせよ純粋にもっと釣れるものが欲しい!と作りあげた結果ですので、自信をもってオススメします。

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使い方

動画等ではざっとシチュエーションや使い方はご紹介しましたが、今回はそのおさらいと更に踏み込んだ使い方を解説していきます。

先ずは時期

1:プリスポーンのメスバス
2:アフタースポーン~回復バス
3:サマーパターン
4:フォールターンオーバー

1・・・選り好みが激しく、またナーバスな状態になりがち。浮いているバスに対して、ラインの存在を消し、刺激しすぎない虫故の存在感とつい口にし易い大きさが活きます。非常にピンポイントな期間ですが特にリザーバーなどのクリアウォーターでは狙ってビッグバスを捕れるパターンです。

2・・・正真正銘、虫の季節。釣れる理由としてアフタースポーンのバスが動きたがらず浮く傾向にあること。目線から上のモノに反応し易く簡単に口にできるものを好みます。ですから文句なしに虫が釣れる訳です。しかしショートバイトや甘噛みが多発することも多い季節です。

3・・・虫を虫と認識して捕食する季節。繰り返し虫をターゲットとして捕食しているフィールドやポイントは一撃で疑いなくバイトしてきます。一方で夏の間、バスのポジションが変わらず、絶えず釣り人のプレッシャーに晒されているバックウォーターなどの場所はシビアな状況に陥りがち。反応は良いことが多いですが、最後に口にするかどうかは虫ルアーの性能や釣り人のアプローチの違いで釣果に大きく差がでると言えます。

4・・・秋は水温が下がり、ターンオーバーや台風や長雨などフィールド全体の水質が不安定な時期となります。基本的にはシャローから姿を消す傾向にありますが、前途の要因でディープの水質が悪くなると、シャローにバスやベイトが戻るタイミングがあります。晴れて表層の水温が上昇すると更にバスは浮き気味になり、かと言ってやる気がある訳ではないので、繊細な虫のアピール力が効く場面が出てきます。

おおまかですが、私の虫の出し所はこんな感じです。

ただしこれに関わらず、サイトでバスが確認できるならば、季節に関わらず、釣れる可能性があることは付け加えておきます。

タックルとルアー操作の基本

ロッドはUL~Lクラスの投げやすいもの。ラインはフロロ4lb.です。

特殊なロッドでなくても構いません。飛ばすためにPEやロングロッドも有りですが、それよりもキチンとキャストがし易く、コントロールができるタックルで行うことが重要です。

次にキャストしたら、ラインを水面で馴染ませること。

表面張力でラインが浮いている状態だと水面に余計な波紋を作ってしまい、バスを警戒させる要因となります。アクションその1

アクションは状況やバスの反応を伺いながら対応しますが、その中でもポーズはとりわけ重要な意味があります。

虫をイミテートすることはもちろんですが、バスに対して間を作ることに重要な意味があります。

この間には様々な目的があります。ずばりそれはバスに存在を気づかせる間、バスに見切らせない間、バイトさせる間です。

バスが虫に気づいて寄って来る時、反応良く素早く追ってくる時には問題ありませんが、本来は虫は虫、反応させるには時間は必要であるし、多くの場合ゆっくり浮上して見にきます。

加えて反応させやすいスポットや喰わせやすいスポットは極々僅かなスポットであるので、ここからなるべく離さず浮かして喰わすのが理想です。

浮かせる為に時間をある程度かけ、断続的にアピールさせる為にこの間が必要となります。

当然移動距離を抑えられ、止めていても移動しづらい虫が有効となります。

この点オリカネ虫はカップ形状と各パーツがブレーキとなり一カ所に留めておくことが可能です。

また止めていても、ボディ下方から伸びたフックがキールの役目をし、無用な横流れを抑止します。

バスに見切られない間。もちろんいつまでも止めておけば見切られないと言うことでは有りません。

基本的には水面に浮いていて、全体像を捉えにくい虫はバスから見切りにくい部類のルアーであると言えます。

その特徴を最大限利用するために水面でバスが虫を凝視している時は何もしないのが得策と言えます。

特にラインの張りによって、ラインが動くのことや虫が引っ張られる不自然さはバスの眼前で起こることから見切る要因となるようです。

そしてこの時喰わせられるかどうかは、釣り人の技量の及ばないルアー自体の性能差となります。

オリカネ虫は各パーツが絶妙な浮き加減を演出していることは、この全体像を捉えづらくして見切られにくくしていることに他なりません。

バイトさせる間

そのままですが、止めておくことで目標をずらさず、しっかりと深いバイトを得るための間です。

更にこの間を使い、バイトさせるタイミングを意図的に与えることも出来ます。

動いて居たものを止めることで、動かない!今なら喰える!チャンスだ!と認識させられます。

加えてこの間を作れることで、釣り人側もしっかりとした心の準備とフッキング体勢を作れます。

この体勢は体もそうですが、それよりもこの時ラインスラックをフッキングに備えて調整します。

当然ダルダルのラインスラックではフッキングは上手くいきません。

かと言ってラインスラックを張りすぎると虫が動き、前途のようにバイトの妨げになります。

理想は常にロッドポジションやティップの操作だけで3つのライン操作が可能なラインスラックを維持することです。

3つとはもちろん、ルアーアクションさせられるスラック、ラインの存在感を消せれるスラック、素早くフッキングができるスラックです。

難しそうですが、いつもやってるワームの釣りと一緒です。

ただルアー自体は軽いし、ワームよりは水の抵抗がないのでより繊細にやるだけです。

また、フッキングのタイミングをよく聞かれますが、ルアーが口の中に入ったらフッキングすれば良いだけです。

ただし、喰った瞬間ロッドティップで針先を素早く刺すイメージです。

ラインを弾くようなフッキングはバラシやスッポ抜けの原因となります。

鋭く強くと言うより、鋭く弱くティップで捉えるイメージです。大袈裟に言えば素早くロッドを平行移動させる感覚です。

その後に針を貫通させるため、バスのウェイトを利用し、ロッドをバットから深く曲げる感覚で行います。

慣れは必要ですが、私の中ではスピニングでのネコリグのフッキングと一緒。一瞬の動作ですがトライしてみて下さい。

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アクションその2

一口に虫と言っても、季節以外にも効く状況は様々です。例え同じポイントでも違う状態のバスが釣れることも多々有ります。

そこで色々な状況や違ったコンディションのバスを相手にするためにアクションやアプローチのバリエーションがあると大きな武器となります。

その点オリカネ虫はヘッドのカップによるポップ音の効果は大変大きく、魚に訴える要素が一つ増えたことになります。

即ち要所要所でポップ音を使いこなすことで更にバスを手にできるはずです。

では状況別の基本的なアクションパターンとアプローチ方法です。先ずはバスが見えているかいないかです。

バスが見えている場合・・・

繊細なアクションから入ることが基本になります。

アプローチも流れや風を使いドリフトさせ送り込む方法や草木やベジテーションを使いソフトに落としたりします。

意識することはバスが気づいて捕食体勢に入るか否かのギリギリの距離を想定し虫を通すことです。

本物のエサかルアーかを判断させない距離で気づかせ、慌てさせておいて、且つ長い距離を追わせることで深いバイトを狙います。

気付かない時は徐々に距離を詰めることや、少しアクションを大きくして気付かせます。

これは最初から近い距離、大きなアクションだとスプークさせる可能性が高くなるからです。

もちろん近くに投げ込んでも釣れることもありますが、どちらかといえば、この方法がベターであります。

具体的なアクションはポーズ主体でバスを気づかせる必要最小限のアクションのみ加えます。

気づいてバスがルアーに近づく時は基本的に動かさずポーズさせます。仮に喰わなかったとしても、体勢を立て直し改めてバイトする時もあるのでバスの動向をよく見る必要があります。また見切る寸前に一か八かポップ音でリアクションバイトを誘うのも手。バスの反応が急変することもあります。

バスが見えない場合・・・

この場面がオリカネ虫ならではの真骨頂です。

先ずはバスがいるであろうシチュエーション(オーバーハング、立木、インレット等)にダイレクトで投げます。

着水音で反応がないとき、ポップ音を1回または2回、鋭く小さくアクションさせます。

気づいたバスを急浮上させ喰わせるために少しポーズさせます。この繰り返しです。

また反応がない場合にはもう少し派手に連続してアクションさせるのも手です。

つまりはアピール力と究極の喰わせの合わせ技。騒ぐだけ騒ぎ、誘っておいて、見にきたら、しら~っと死に損ないの虫。思わず口にするわけです。

つまり今まで反応させづらかった距離や水深にいるバスまでターゲットとなります。

他に特殊な使い方としては、激しくアクションさせて、小さなカエルをイミテートした使い方もグッド。

まず2本のガードを開いてVガード使用にしてスナッグレス能力を上げます。

その上でPEラインを使い、ライトカバーや薄ゴミ上で使用します。

ポケットやオープンウォーターに誘い出しバイトさせるのも喰わせ能力の高い虫ならではの手です。

もう一つは他魚種を反応させる。つまりギルやニゴイにワザとちょっかいを出させます。

そしてバスの闘争心やテリトリー意識を煽りバイトさせる方法です。

この方法はにらめっこはするが喰わないバスやなかなか上を向かないバスに大変有効です。

但し気難しいバスなので、バスの後方やバスとバンクの間など、バスが思わず口を使う場所を想定して他魚種を反応させる場所を選べばバイトする確立が格段に上がります。

ちょうちん釣法

スナッグレス性能を生かし、草木に引っ掛け水面で一点シェイクする方法です。スモラバでもやる方法ですが、スモラバで喰わなかったバスが喰うこともあります。

これは虫ならではのシルエットや水面の叩き方が効いているのだと思います。ラインの存在感を消せるのもメリット。

また流れが強くラインが流されやすいポイントでも有効です。ラインは空中に常にあるの虫を上手くスポットに留めておくことができるからです。

注意点としてラインの素材や太さをしっかり選ぶ必要があります。

参考までに、濃いカバー又はレイダウンなどはPE0.8~1.2号。薄いカバー葦や草木はPE0.5~0.8号、フロロ4~5lb.位です。

最後に

オリカネ虫は見た目、アクション、フッキング性能など死にぞこないの虫ながら、ボディーには死に場所がない程の性能が随所に盛り込まれています。

日中などは他のトップウォーターでは難しいことも多いですが虫なら別。丸見えのバイトシーンを是非とも味わってみて下さい。

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